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緑化に関する制度「工場立地法」

駐車場緑化 三光社


現在、国や地方公共団体では環境保全や地球温暖化への対策として「緑化」の推進を図るべく、様々な制度を設けています。

工場の「緑化」に関わる法律で、経済産業省により定められた「工場立地法」について解説いたします。

・工場立地法とは?
・工場立地法の対象と期日
・背景・準則
・基準を守らない場合には

工場立地法とは?


工場を建設する際に、周辺環境を守りながら工場の立地が適正に行われるようにするため、公害の防止に関する調査や、工場立地に関する準則等の公表、届出内容の勧告・変更命令などを行うという規程です。

これらを通じて、国民の経済が発展することや、生活をとりまく環境の改善や福祉の向上を目的としています。
対象となる業種で、一定規模以上の工場等を新設・変更する際には、事前に届け出が必要になります。

◆工場立地法の対象と期日


対象となる業種製造業・電気供給業・ガス供給業及び熱供給業
※水力発電所、地熱発電所および太陽光発電所は除く
規模敷地面積が9,000㎡以上または、建築面積:3,000㎡以上


届出を行う期日は「着工予定日の90日前まで」ですが、要件を満たせば30日前までに短縮できます。
届出先は、工場の立地予定の市町村の窓口にて行います。

◆背景

工場の立地に関する基本的な法制の整備を目指し、昭和33年頃から工場の立地についての調査や指導が行われてきました。
工場の立地が適切に行われ、国民経済が健全で円滑に発展するよう、昭和34年に「工場立地の調査等に関する法律」が制定されました。

昭和48年の一部改正では、敷地利用に関する規制や、公害や災害の未然防止に対する規制が追加され、「工場立地法」と題名が改正されました。
経済の発展により起こった公害や自然環境の喪失を問題視し、環境保全を大前提としての適正な工場立地の推進を目指しました。

そこから何度かの改正を重ね、現在にいたります。

◆準則

準則では、工場の敷地利用について、面積の比率で表し、基準を定めています。
周辺地域の生活環境や自然環境との調和を保つため、一定の適切な限度が示されています。

①生産施設面積
②緑地面積
③環境施設面積

について解説していきます。

①生産施設面積規制
「敷地面積に対する生産施設の面積の割合」について定めたものです。
「生産施設」とは、物品の製造や加工などを行う工場の建物や、プラントなどの施設のことを指します。

業種により異なる敷地に対して 30~65%以内

業種により、施設や敷地利用の特性が異なるため、割合に違いがあります。
全国一律の基準となっており、自治体や特別区などによる設定はありません。

②緑地面積規制 
「敷地面積に対する緑地面積の割合」について定めたものです。
ここでいう「緑地」とは、工場や周辺地域の生活環境の保持が期待される樹木や地被植物などにより、緑化されている土地や屋上施設のことを指します。
人工芝は該当しないため注意が必要です。

緑地面積(国準則)20%以上
市区町村準則5~30%以上
地域未来投資促進法に基づく準則1~20%未満以上
国際戦略総合特区に基づく準則1%以上
震災復興特区に基づく準則1%以上
国家戦略特区に基づく準則1%以上

※国の準則に代えて適用する準則を、市区町村または条例で制定可能


③環境施設面積規制
「敷地面積に対する環境施設面積(含む緑地)の割合の下限」について定めたものです。
「緑地」と「環境施設」の用地に分けられます。

ここでいう「環境施設」とは、
・修景施設(噴水や池、彫像など)
・屋外・屋内運動施設
・教養文化施設(美術館や博物館など)
・雨水浸透施設
・太陽光発電施設
などのことを指し、周辺地域の環境保持のために、管理がされている必要があります。
国準則としては、環境施設面積の割合は全体で敷地面積の25%以上必要で、うち「緑地」が20%以上が含まれます。残りの5%は、「緑地」または「環境施設」にすることが必要です。

市区町村や条例により、面積の割合が定められています。

環境施設(国準則)25%以上(敷地の周辺部に15%)
市区町村準則10~35%以上
地域未来投資促進法に基づく準則1~25%未満以上
国際戦略総合特区に基づく準則1%以上
震災復興特区に基づく準則1%以上
国家戦略特区に基づく準則1%以上

※国の準則に代えて適用する準則を、市区町村または条例で制定可能

◆基準を守らない場合には

条件に当てはまる工場にもかかわらず届出をしない場合や、準則に従わない場合、是正勧告が行われます。
さらに是正勧告に従わないと、変更命令があり、違反すると罰則が適用されます。


まとめ

「工場立地法」とは、工場を建設する際に、周辺環境を守りながら工場の立地が適正に行われるようにするための規程です。
これらを通じて、国民の経済が発展することや、生活をとりまく環境の改善や福祉の向上を目的としています。

適切な届出や、準則に合わせた敷地の利用を計画する必要があり、守らない場合には、是正勧告や罰則などがあります。
工場を新設する場合には、届出の前に各自治体での確認を行いましょう。

弊社では、緑化に関するご相談を承っております。
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