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緑化に使用する植物は何がいいの?おすすめと選ぶ際のポイント・注意点を解説

緑化を計画するにあたり、植栽する植物を決めることも検討項目の一つです。

植物を選ぶ際には、デザインのほかに気候や土壌などの環境、管理状況などに配慮をする必要があります。
適切な植物を選ばないことで、植物が生育せずに枯れてしまったりメンテナンスに影響してしまいます。
緑化を成功させるためには、どんな植物を選択したらいいのでしょうか。

1.屋上緑化
2.壁面緑化
3.駐車場緑化
それぞれのおすすめの植物と、選ぶときのポイントや注意点を解説いたします。

1.屋上緑化 

スナ苔

屋上緑化におすすめの植物


〈地被植物〉
スナ苔、コウライシバ、ノシバ、タマリュウ、ヒメイワダレソウ、シバザクラ、ヘデラ
・法的緑化の場合は、メンテナンスのしやすいコウライシバが選ばれることが多いようです。
〈多肉植物〉
常緑キリンソウ、サカサマンネングサ
〈低木〉
サツキ、ヒラドツツジ、ローズマリーやラベンダーなどのハーブ類、ブルーパシフィック(コニファー類)、アセビ、フェイジョア、シャリンバイ、アベリア、オオムラサキ
〈中高木〉
ソヨゴ、オリーブ、ゲッケイジュ
〈屋上菜園〉
ミニトマト、ナス、きゅうり、ピーマン、オクラ、枝豆などの乾燥に強い野菜

◆屋上緑化で植物を選ぶ際のポイント・注意点 7選


①屋上は、長時間にわたり直射日光や風雨の当たりが厳しい環境です。
暑さや寒さ、乾燥に強い耐性をもつ植物を選ぶことがおすすめです。

②落葉しないものを選択することで、風による周囲への被害や排水溝の詰まりを防げ、メンテナンスの省力化にもつながります。

③屋上は、積載荷重の制限があったり、地上に比べて風が強くなります。
将来大きく重くなるものや、倒木の恐れがあるものは避けた方がいいでしょう。

④竹類や笹類、根菜類など、土中に根が深く伸びるものは建物へ侵入したり、防水層を破損したりするため避けた方がいいでしょう。

⑤ヒメイワダレソウなどの密生速度の早いものは、爆発的に増えてしまい、ほかの草花に巻き付くなどの影響を与えてしまうことがあります。ブロックを置いて成長のコントロールをしたり、繁殖する前に抜いたりする管理が必要です。

⑥屋上菜園は、自治体により、屋上菜園を緑化面積の中に認めないところもあります。検討している場合には確認が必要です。

⑦セダム類やコケ類は、緑地面積にカウントされない自治体もあるため注意が必要です。

2.壁面緑化

ヘデラ

◆壁面緑化におすすめの植物


壁面緑化にはいくつかの方法があります。それぞれの方法によっておすすめの植物が異なります。

〈プランター型、パネル型(ユニット型)〉
下垂させたり植栽したり、デザインによってさまざまな植物を選択できます。
メンテナンスや景観を考えると、やはり常緑植物がおすすめです。

・常緑
ブルーパシフィック、セトクレアセア、シマカンスゲ、ワイヤープランツ、ポトス
タマシダ、ヒューケラ、セキショウ、フイリノシラン、アベリア
・一般家庭などで緑のカーテンに使用する植物は、美しい花が観賞できるアサガオやトケイソウも人気です。
・ゴーヤ、インゲン、ヘチマなどを選択すると、育てる楽しみや収穫の楽しみも得られます。

〈ワイヤー登はん型〉

壁面にワイヤーを張り、巻き付き型のツル植物を使用します。

・常緑
ヘデラヘリックス、カロライナジャスミン、テイカカズラ、ビグノニア
・落葉
ナツユキカズラ、クレマチス類

〈下垂型〉
・常緑
スイカズラ、ヘデラヘリックス、ヘデラカナリエンシス、ブルーパシフィック、ツルニチニチソウ

壁面緑化で植物を選ぶ際のポイント・注意点 6選


①被覆速度も植物によって異なり、ツル植物などは生育するまでにある程度の時間を必要とします。植物が生育するまでの期間を考慮して計画を立てることが大切です。

②植物によって登はんする高さに限りがあります。建物の高さや、緑化のデザインにあった植物を選択しましょう。

③冬に植栽すると生育がよくない植物もあるため、生育の促進を目指し春から秋の間に施工をするとよいでしょう。

⑤大きな花が咲いたり実のなる植物は、落下による人への被害や、周囲を汚すおそれがあります。人通りの多い場所や、メンテナンスが頻繁にできない場所では避けた方がよいでしょう。

④壁面緑化を行う方位によって、日光や風雨の当たり方が異なり植物の生育状況に影響します。
生育に日光を必要とする「陽生植物」と、弱い日光でも生育できる「陰樹植物」があり、方位の配慮が必要です。

⑥落葉性の植物は冬に枯れてしまい緑の景観を保つことができません。メンテナンスの省力化や景観の維持のため、基本的には常緑性の植物が多く使用されます。

3.駐車場緑化

コウライシバ

駐車場緑化におすすめの植物


駐車場内部
〈地被植物〉 コウライシバ、ノシバ、タマリュウ、イワダレソウ、リュウノヒゲ
・立体駐車場では、外構部や各階の外周部の壁面に緑化を施すことも可能です。


駐車場の外周部、車路

植栽したり、花壇や生垣の設置。外壁やフェンスにツル植物を登はんさせることも可能です。

・常緑
〈高木〉ソヨゴ、モチノキ、スダジイ、タブノキ、ヤブツバキ、マテバシイ、クスノキ、シラカシ、オリーブ、ハイノキ
〈中木〉ヒイラギ、ヒサカキ、モクセイ、イヌツゲ、ネズミモチ
〈低木〉フェイジョア、シャリンバイ、アオキ、クチナシ、チャノキ、アベリア、アセビ、イヌツゲ

・落葉
〈高木〉ヤマボウシ、アカシデ、ムクノキ、モミジ、サクラ、カツラ、クヌギ、ケヤキ
〈中木〉モクレン、モモ、ロウバイ、モモ、カマツカ
〈低木〉ドウダンツツジ、アジサイ、バラ、ユキヤナギ、ムラサキシキブ

〈生垣〉
モッコク、ツバキ、サザンカ、マサキ、サザンカ、モクセイ、ムクゲ 

駐車場緑化で植物を選ぶ際のポイント・注意点 3選


①駐車場内を緑化する場合は、タイヤや人による踏圧やエンジンの熱や排気に気をつけましょう。日中に長時間の駐車をしておく場合は、日照不足になる点にも注意が必要です。

②緑化舗装をする際には、シバを守るためのプラスチックの緑化保護資材や、コンクリートブロックを使用するとよいでしょう。

③実がつくものや樹液などの出るものは、落下して人や車両を汚したり傷つけたりする可能性があるため、植える場所に注意が必要です

 関連情報 ー

東京都環境局では、生物多様性に配慮した植栽を目指し
「植栽時における在来種選定ガイドライン」を作成しております。
ガイドラインを基本に樹種を選ばれることもおすすめです。


東京都環境局  「植栽時における在来種選定ガイドライン」平成26年5月

法的緑化では、植物の枯渇などで最低限度の緑化率を満たせなくなってしまった建物は、緑化率違反となります。
是正の勧告や立ち入り調査が入ることもあり、違反が是正されない場合には罰則もあることを覚えておきましょう。

緑化を計画する際には、将来にわたり緑化を維持できるよう、無理がない計画の策定が大切です。

まとめ


屋上緑化、駐車場緑化、壁面緑化では、おすすめの植物や注意点が異なります。
適切な植物を選ばないと、植物が生育せずに枯れてしまったり、メンテナンスに影響をしてしまいます。

緑化を成功させ美しい状態をキープするためには、植物を選定する際には、それぞれの環境や目的にあった植物を選ぶことが大切です。

弊社でもご相談などを承っております。お気軽にお問合せください。