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「苔庭」魅力やもたらす効果 苔の種類・苔庭のスタイルについてご紹介

癒しの空間を作る!初心者向け苔庭の魅力と基本

苔庭は日本庭園の一種で、しっとりとした美しさや静かな雰囲気が魅力です。

古くから日本の寺院や庭園で見られる苔庭は、独特の風情を持ち、その繊細な緑が四季折々の景色と調和します。

最近では、自然を身近に感じられる癒しの空間として、個人宅の庭やインテリアにも取り入れられることが増えてきました。

本記事では、苔庭の魅力や苔の種類、取り入れ方などについてご紹介します。
自然の癒しを感じられる苔の魅力を、庭作りにぜひ取り入れてみてください。

 1.苔庭とは?
 2.苔庭の魅力
 3.苔庭がもたらす効果
 4.苔の種類
 5.苔庭のスタイル

1.苔庭とは?
苔庭は、庭園の地面や石、岩などに苔を敷き詰めて、自然の景観をそのまま取り入れたような独特の風情を感じさせる庭園です。
その歴史は古く、とくに京都の寺院や日本庭園で見られる伝統的な風景の一部として親しまれてきました。

苔は、一年を通じて緑色を保ち、湿度や光の加減によって微妙な色合いや質感を楽しめることから、「静寂な美しさ」を感じさせる植物として知られています。
都会の喧騒を忘れて静かな時間を過ごせる苔庭は、海外からの注目も増え、より多くの人に愛されています。

2.苔庭の魅力
苔庭の最大の魅力は、繊細で静寂な美しさです。
苔の柔らかな緑が庭全体に広がり、まるで自然の中にいるかのような落ち着いた空間を作り出します。

他の木々が四季折々で異なる表情を見せる中、苔は変わらず緑を保ち続けます。
そのため、春の新緑、夏の深い緑、秋の紅葉、冬の積雪など、季節ごとに異なるコントラストを楽しむことができます。

また、苔によっては少ない日照や水で育つ種もあり、都会の狭いスペースでも取り入れやすいのも魅力です。

自然と調和し、心を癒す空間を作りたい方にとって、苔庭はまさに理想的な庭づくりの選択肢といえるでしょう。

3.苔庭がもたらす効果
庭作りに苔を取り入れることで、さまざまな効果が期待できます。

〈リラックス効果〉
苔庭には心を落ち着かせるリラックス効果があります。緑色は視覚的に安らぎを与える色とされ、苔のふんわりとした質感や柔らかな色合いは、見るだけで心を癒してくれます。
忙しい日常やストレスを感じる現代社会において、苔庭を眺めることでリフレッシュ効果が得られ、心身ともにリラックスできる空間を作り出すことができます。

〈空気清浄効果〉
苔には、CO2を吸着する効果もあり、微小な粒子を取り込みながら清浄な空気を放出するといわれています。
苔を取り入れることで空気の質を改善し、健康的な環境を作ることが期待できるでしょう。

4.苔の種類
苔庭に使用される苔の種類は、約20〜30種類あります。

苔は日本国内で約1,800種類あるといわれていますが、その中でも苔庭に適しているのは耐久性や育てやすさ、見た目の美しさが重視された一部の種類です。代表的な苔にはスナゴケ、ハイゴケ、ホソバオキナゴケ、ツヤゴケ、スギゴケ、ヒノキゴケなどがあり、これらはそれぞれ異なる質感や色合いを持つため、庭のスタイルや環境に合わせて選ばれます。
また、苔庭のデザインに合わせて複数の種類を組み合わせることも可能です。

スナゴケ細かい葉が密集していて、ふんわりとした柔らかい質感が特徴。
乾燥にも強く、苔庭の中でも比較的育てやすい種類。
ハイゴケ茎が地面を這うように広がり、濃い緑色をしているため、庭全体にボリュームを出したいときに。
乾燥や日陰に強く、初心者でも育てやすい種類。苔玉にも最適。
ホソバオキナゴケ細く繊細な葉が密集し、白っぽい綿毛のような質感が特徴的。
和の風情を感じられるので、日本庭園の苔庭にぴったり。
丸みがありかわいらしく、テラリウムにも最適。
ツヤゴケ光沢のある美しい緑色をしており、湿度の高い場所でよく育つ。
日陰を好むため、湿気の多い場所や半日陰の苔庭に適している。
スギゴケ葉が杉の葉に似ていることから名付けられた苔で、細長い茎と細かい葉が密集して生える。
湿気を好み、半日陰の環境でよく育つ。
ヒノキゴケヒノキの葉のような形状が特徴で、密集して育つため、苔庭に立体感を出したいときに使われる。湿気の多い環境を好む。


5.苔庭のスタイル
苔庭は、苔の種類や庭の規模、作り手の個性によって、全く異なる表情を見せるのが魅力です。
今回は6つの代表的なスタイルをご紹介いたします。

伝統的な日本庭園
日本庭園でよく見られるスタイルで、岩や灯籠、苔、池などを組み合わせて作られます。
広い敷地に苔が一面に広がる様子が特徴です。
静寂な雰囲気や和の風情を感じられるため、寺院や茶室の庭に多く取り入れられています。

・枯山水
砂利を使って水の流れを表現する枯山水に、苔を取り入れた庭です。
岩の周りに苔を配置することで、山や島を表現し、独特の立体感と奥行きを生み出します。
シンプルな中にも深い趣があり、岩の質感と苔の柔らかさが調和した美しさを楽しめます。

グランドカバー
庭全体の地面を苔で覆ったシンプルなスタイルです。
芝生の代わりに苔を使うことで、柔らかい感触と鮮やかな緑を楽しむことができます。
メンテナンスが少なく、日陰でも育つため、狭い庭や部分的に苔を取り入れたい場合に最適です。

苔と石組みの庭
岩を使い、その周りに苔を配置した庭です。
岩と苔の組み合わせは、自然の山間や渓谷の風景を彷彿とさせ、庭全体に動きとバランスを与えます。
大小さまざまな岩を配置し、苔が岩に絡むように植えることで、自然の景観を再現できます。

屋上、ベランダ
スペースの限られた都会の住宅やマンションでも楽しめる苔庭です。
プランターや鉢、木箱に苔を敷き詰めて育てたり、石や小さな盆栽と組み合わせて小さな苔庭を作ることができます。
屋上やベランダを利用することで、自然の癒しを身近に取り入れることができます。

テラリウム
ガラス容器やボトルに苔を植えたスタイルで、室内で楽しめるミニ苔庭です。
苔のほかに、小さな石や木の枝、ミニフィギュアなどを組み合わせて自分だけの小さな箱庭を作ることができます。
水やりの頻度も少なく、手軽に苔庭を楽しめるため、インテリアグリーンとして人気があります。

これらの苔を使った庭は、規模やスタイルを問わず、さまざまな場所で楽しむことができます。
伝統的な日本庭園から現代的なテラリウムまで、苔の特性を活かして多様なデザインを取り入れることができるのが苔庭の魅力といえるでしょう。

まとめ
苔庭は、日本の伝統的な風景と自然の美しさを感じられる独特な庭園スタイルです。
その静けさや繊細な緑のグラデーションは、見る人に安らぎと心地よさをもたらしてくれます。
苔庭は小スペースから始められるので、身近に自然を感じることができるところが魅力です。

苔の種類や庭のスタイルは多様で、伝統的な日本庭園から現代的なテラリウムまで、自分の生活環境やスペースに合わせて取り入れることができます。

手軽に育てられる点や、都会の狭いスペースでも楽しめる点は、忙しい現代人にとっても大きなメリットです。
ぜひ苔庭の魅力を日常に取り入れ、心地よい癒しの空間を作ってみてはいかがでしょうか。


三光社ではスナゴケの苔庭に関する相談を承っております。
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